どうも、銀虹です。
今回は、エネルギー企業の代名詞、配当貴族のExxon Mobilについて分析しようと思います。
企業概要

テキサス州アービング本社:出所 Wikipedia
会社名 | エクソン・モービル |
ティッカー | XOM |
創業 | 1870年 |
上場 | 1920年 |
決算 | 12月 |
本社 | アメリカ・テキサス州 |
上場市場 | NYSE |
従業員 | 71,000名(18年12月時点) |
セクター | エネルギー |
S&P格付け |
AA+ |
ライバル企業 | Chevron、Royal Dutch Shell |
事業内容は、
●(上流)・・・石油・天然ガスの探査、開発および生産
●(中流)・・・輸送
●(下流)・・・原油や石油などの燃料・化学品の精製や販売
上流から下流を一括で手掛ける垂直統合型の事業を行っています。
エクソン・モービルの起源は、ジョン・D・ロックフェラーが築いたスタンダードオイル社までに遡ることができます。
当時、ロックフェラーが率いるスタンダードオイルは、競合他社を脅かすほどの企業努力(笑)によってアメリカ市場の9割の石油シェアを握るほどの国際的な大企業に成長を遂げます。
その後、独占規制の風潮が高まり、1911年に30数社ほどに分割されてしまいます。
それから数十年の歳月が流れ、その30数社は統合と離散を繰り返し、1999年にエクソンとモービルが合併することで、今のエクソン・モービルが誕生しました。
ほんの10年前までは、純利益が世界一を記録しており、現在は業界で売上高世界3位、時価総額トップの位置にいます。
エクソン・モービルは今後、ニューメキシコ州にある複数の油田に積極的に投資を行うことで、上流部門で競合他社を突き放し、2025年までに今の10%増の利益成長を目指しています。
ガイアナ地域の油層に次いで、キプロス沖でもガス井を発見したことから将来的な保有資源量が増える見込みです。
一方で、下流の設備投資にも積極的に行っており、今後増産される石油により高需要かつ高品質な製品を生産していくとのこと。
ウッズCEOは世界的に今後20年間は、石油化学製品の需要が、同期間内のエネルギー需要やGDPの成長率を上回ると語っています。
よく言われるのが、欧州の石油メジャーが再生可能エネルギーなどの代替エネルギーへの多角化を進める中、エクソン・モービルがその分野で少し出遅れていることです。
しかし、今後数十年間、再生可能エネルギー分野が成長し、電気自動車が普及し、エネルギーの代替化は進むものの、依然として、石油は、商業輸送や化学製品工業の原料として需要があるため、時代に取り残されるという過度な心配はないかと思われます。
また、エクソン・モービルはマイクロソフトとパートナーシップを結びました。
マイクロソフトのクラウドシステムを活用することで、掘削の最適化や作業の安全化、および人員配置の優先的順位付けを行うことができ、将来的な収益性は今より高くなるとのことです。
エクソン・モービルを一言でいうと?
エクソン・モービルは、その規模を生かしたコスト優位性を生かし、競合他社よりも利益を稼ぎ、再生可能エネルギー分野では少し出遅れているものの、既存の石油事業を着実に成長させる、保守的な経営をする世界最大級の石油メジャーです。
財務データを見てみましょう。
地域別売上高

世界全体でバランスよく、売上をあげていますね。
事業構成
利益はやはり、上流の方が利ザヤを稼げるということです。
原油高になると石油事業は潤います。
業績


世界的な原油安に見舞われた2016年代はさすがに売上、利益が大幅に落ちているものの、利益はマイナスにはなっていません。
迅速に設備投資の抑制した結果がでています。
また、同業社間の中でも比較的に利益率が高く、業績のムラを小さめです。
生活必需品セクターなどには到底敵いませんが・・・(苦笑)
エクソン・モービルの強さは、油田獲得の交渉力やコスト削減に対する徹底的な改革だったりするので、このあたりは米国企業の逞しさを感じます。
キャッシュフロー

営業CF率が比較的高く、バラツキも小さいです。
掘削や設備維持にお金を使うのは仕方がないことですね。
それを差し引いても毎年多額のFCFが手元に残っています。
バランスシート


エネルギーセクターは、事業運転させるための固定資産が多いです。
業績も原油の価格に左右されるため、自己資本比率は高いです。
ここは少し安心できます。
株主還元

なだらかな増配、増配!
2016年は厳しい年だったのに関わらず、流石です。
今後も安定的な配当が見込まれます。
増配も続いていくことでしょう。
株価指標
予想PER 18.24倍
予想配当利回り 4.24%
コメント
市況動向により、業績は変動があるもののきちんとリスク管理がなされた経営ができています。
コスト管理への意識もしっかりしていて、手元に残る利益も同業他社よりも多いです。
業績の予想がしづらい、エネルギー企業は保守的な経営をしてるほうが安心して保有することができますよね。
ハイテク銘柄などに比べて、市場からの期待も低いため長期投資すればそれなりのリターンが見込めそうです。
今後も株価の不安定さに反して、安定した利益を株主に還元できそうな銘柄の一つです。
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